タイの日用品・ライフスタイル市場における介護機器の需要拡大
（2023年3月14日）

タイでは、シンガポールに次ぐ速さで高齢化が進み、介護施設やホームケアの市場が拡がりを見せています。特に、裕福な外国人ロングステイ層も含めたタイ人家庭の増加が見られます。このような状況の中、IoTを活用したスマートウェルネス機器などの市場は、今後も成長が期待されます。消費者は病院関係者の推薦や口コミなどを参考に、介護用品を購入する傾向があります。また、自宅のインテリアに馴染むデザインの重要性も高まっています。本シリーズ第7回では、高齢者向けの介護・ヘルスケア用品にスポットを当てます。

介護施設の全国的な増加
タイ全国での高齢化の進行と少子化が止まらず、ナーシングホームや高齢者専用病院の設立は重要なビジネストレンドとなっています。2021年時点で、全国に4,000カ所のナーシングホームが存在しています。

チェンマイは、古都として世界中から観光客を引き寄せる地域です。その北部に位置するのんびりとした田園風景の中に、高齢者向けのミースック・ソサエティが設けられています。ここは2012年にナーシングホームとして開業し、2015年には住宅の賃貸・分譲を始めました。利用者の30%は外国籍で、中には日本人もいます。スマートウェルネスの実現に力を入れ、24時間の見守りシステムや酸素濃度を調整する空調システムには、日本の技術が導入されています。

高齢者人口の増加
2021年の高齢者人口（60歳以上）は18.8%に達し、2040年には31.4%に達すると見込まれています。この数字は、ASEAN諸国中でもシンガポールに次ぐ高齢化率です。

スマートウェルネス機器の市場成長
タイの高齢者向け商品・サービス市場の規模は約1,070億バーツで、その中でも介護機器は約100億バーツを占めています。特にIoT機器は、購買力のある層や高齢者のニーズに応え、日常生活のサポートを提供する重要な分野として成長を続けています。

ホームケア市場の成長とデザインの重要性
新型コロナの影響で、家庭での介護機器の需要が急増しています。特に、病院を連想させないデザインの機器が求められており、ライフスタイルの変化と共に、介護への理解が深まっていることが背景にあります。

キーパーソンとしての病院関係

者
介護機器の購入は、利用者自身ではなく、その家族が行いますが、家族は病院関係者からのアドバイスを重視しています。現在、介護に関する信頼できる情報源が限られているため、病院関係者の意見が大きな影響を及ぼしています。

日本製介護機器の市場調整
タイでの介護機器販売において、日本製品の高品質と機能性は評価されていますが、高価であるため、価格面での調整が必要です。また、タイの福祉用具の規制も、輸入販売における留意点です。

Ayasan Holdings がタイにて介護用品オンラインショップを開設。Ayasan Holdingsはタイでホームサービスプラットフォームを運営する日系企業。これまで５０，０００世帯以上にサービス提供実績。

Ayasan Holdings - https://ayasan-service.com/cares